平成18年にツツジ研究の第一人者によって「のとキリシマツツジ」が”発見”され、学術調査が始まりました。次第に明らかにされる「のとキリシマツツジ」の真価とは・・・。
博識な視野からもたらされた再評価による新たな価値の中には、それが江戸時代の園芸文化や産物交流を解く鍵であることが示されています。
その内容を一部ご紹介します。
▶のとキリシマの価値は—。(倉重祐二×小林伸雄 Special Interview)
▶「のとキリシマツツジ」の品種構成・分布と新しい系統(新潟県立植物園副園長 倉重祐二)
▶DNAからみた「のとキリシマツツジ」の品種発達と起源の推定(島根大学生物資源科学部教授 小林伸雄)
倉重祐二(新潟県立植物園副園長)
【PROFILE】くらしげ・ゆうじ
1961年神奈川県生まれ。千葉大学大学院園芸学研究科修士課程修了。赤城自然園(群馬県)に勤務後、現在は新潟県立植物園副園長。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉(かき)園芸文化史。
著書に「NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12月 シャクナゲ」(NHK出版)、「日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜(改訂増補)」(誠文堂新光社)、「日本の植物園における生物多様性保全」(共編著 日本植物園協会)など。その他、寄稿記事、学術論文多数。
小林伸雄(島根大学生物資源科学部教授)
【PROFILE】こばやし・のぶお
1968年新潟県生まれ。筑波大学博士課程農学研究科修了、博士(農学)。1997年から「国指定名勝つつじが岡公園」(群馬県館林市)でツツジ古木の保護管理や新品種育成に携わる。
2000年からJICA専門家としてアルゼンチン園芸開発計画に参画。2003年、京都大学助手を経て、島根大学生物資源科学部助教授に就任。2010年同教授。専門研究分野は園芸植物の品種改良、植物遺伝資源の評価と利用、DNAマーカーなどを用いた野生植物から園芸植物の成立起源解明など。