のとキリシマツツジの種類

きれいな花に感動したらそれがどういう品種かを知りたくなるものです。品種の判別も興味深い鑑賞のひとつです。

のとキリシマツツジには3系統(江戸霧島・けら性・四季咲霧島)、7品種あります。参考までに簡単な見分け方を伝授します。なお、正式な品種名はキリシマではなく「霧島」と表記します。

のとキリシマツツジの見分け方

正面から

のとキリシマツツジは大きく分けて「江戸霧島」と「けら性」に分けられます。正面から見て判別します。
type

系統 花びら 花の大きさ 花色 木全体
江戸霧島 細身 直径約3cm 濃赤 深紅にみえる
けら性 ふくよか 直径約4cm 朱赤 赤〜ピンクにみえる

※江戸霧島は正面から見て花びらが細身で小ぶりな感じです。花色は濃い赤で、木全体は深紅に見えます。

※けら性は正面から見て花びらはふっくらしていて、ひと回り大きい感じです。花色は朱色で、木全体が明るい赤から濃いピンク色に見えます。

側面から

細かい品種については側面から見て判断します。ガクの姿が区分点です。

系統 ガク無し
一重
不完全ガク
ひも状
不完全ガク
漏斗状
完全ガク
二重
江戸

霧島

品種群

本霧島(深紅) 蓑霧島 二順霧島 八重霧島
紫霧島(紫色)

紅霧島(濃いピンク色)

四季咲霧島(薄いピンク色)

× × ×
× × ×
*春と秋の二度咲き
けら性 けら性一重 △(稀) × けら性二重

※木によっては複数の品種が混在して咲いていることがあります。その場合は全体でどれが優勢かで品種を特定します。

※八重霧島とけら性二重はよく似ていて判別しにくいことがあります。

※紫霧島はクルメツツジ等の紫花の品種と間違えられることがあります。紫霧島はクルメツツジよりも花が細かく見えます。

のとキリシマツツジの種類と特徴

1. 本霧島

type01光沢のある濃い赤色。葉は濃緑で光沢がある。立性。

のとキリシマツツジで最も基本的な品種で、数も多い。紅色が濃く、一重であればまず本霧島である。

2. 蓑霧島

蓑霧島本霧島のがくが不完全に花弁化。がくは花後も比較的長く残る。

花の根元にひらひらとしたリボンのようなものがついている。形は一定ではなく様々。

3. 二順霧島

二順霧島本霧島のがくが不完全に花弁化した品種。がくは白から徐々に紅色に変化する。

二重に見えるが、短いのが区別点。よく見ると白い産毛が生えていることがある。

4. 八重霧島

type04がくが完全に花弁化。

二重なので、大ぶりに見える。花もやや丸みを帯びた感じがする。

5. 紫霧島

紫霧島紫の花色。株は横開する。

本霧島と同じ形で、紫色の花。よく似たクルメツツジと比べると、花が細かく密な感じがする。数はそれほど多くない。

 

6. 紅霧島

紅霧島本霧島と同じ形で、濃いピンク色の花。非常に珍しい。

7. 四季咲霧島

四季咲霧島薄いピンク色でふくよか、小ぶりの花。本霧島よりも早く咲き、秋にも花をつける。

8. けら性一重(新しい系統) “能登の朝陽”(国際栽培品種登録済)

けら性一重花色に変異あり。品種名不詳。

本霧島に比べると、朱色っぽく花びらはふくよかで一回り大きい。能登の固有種でないかと言われている。一重のものは、非常に珍しい。本霧島よりも少し早く咲く。

9. けら性蓑(新しい系統) “能登の夕陽” (国際栽培品種登録済))

けら性二重 候補2ピンクから濃朱赤まで。二重。

一重と同様に本霧島に比べると、朱色っぽく花びらはふくよかで一回り大きい。能登の固有種でないかと言われている。普通は二重であるが、中でも特に形の良いものを紅重と言っている。本霧島よりも少し早く咲く。

10.けら性二重(新しい系統)“能登あかり” (国際栽培品種登録済)

けら性二重 候補2※三品種名は倉重祐二日本植物園協会専務理事、小林伸雄島根大学教授により「能登のけら性は国内の他のけら性とはDNA鑑定が違う」との見解をいただき英国在住の大槻葉子国際栽培品種登録アドバイザー、マーク・グリフィズ博士を介して登録いたしました。

国際栽培品種登録証明書の掲載